2012年1月25日(不良) 第61回 川崎記念(JpnT)
今日は川崎開催3日目。
メインレースは今年初のJpnT、2100m戦の第61回 川崎記念(JpnT)が行われました。
人気は圧倒的に2010年JBCから8戦8勝、武豊騎手のスマートファルコン。
レースはゲートが空いたと同時にスマートファルコンが抜群のスタートでハナへ。
その内からこちらも好スタート戸崎騎手のフリオーソ、しかし先手をとられきりかえて外の番手に。
3番手は外からおして岩田騎手のキングスエンブレム、その内に酒井学騎手のニホンピロアワーズ、最内からスタート立ち上がって出遅れたものの、おっつけて横山騎手のランフォルセ。
1周目3角4角ではやくもスマートファルコン、フリオーソが後ろを少し離してスタンド前へ。
逃げるスマートファルコンの外にフリオーソ、その後ろ内にランフォルセ、外にキングスエンブレムの形で向正面へ。
向正面に入りペースが上がるも、体勢はそのままでキングスエンブレムの外から上がっていくニホンピロアワーズ。
3角から4角で後続との差を徐々に広げたスマートファルコン、その後ろに並んでランフォルセとフリオーソで直線へ。
直線に入るとその差をさらに広げ4馬身差でスマートファルコンが見事1着!
2着にランフォルセ。3着にフリオーソ。
スマートファルコンはこれで9連勝!
時計も2:10.7上がり38.5のレコードでの快勝です!
初の川崎でしたが、全国の小回り競馬場で勝ってきているスマートファルコンにとってコーナーがきついのは大歓迎、さらに雪の影響での逃げ馬断然有利の高速不良馬場と環境的にもこの馬の味方になった感じです。
武豊騎手が特別にタイミングがあったというスタートは、フリオーソの外という不利の中、最小限な先行争いで逃げれました。
2010年にヴァーミリアンが出した2:12:7上がり36.8とは比較的パワーのいる仙台産の山砂から2011年5月16日弟2回開催川崎から青森県六ヶ所村の海砂に入れ替え、砂自体がまったくかわったので比較はむずかしいところですが、ラップタイムを見ても速いんじゃないかと思います。
ということでせっかくなんで個人的な回顧を。
まずわかりやすくこのレースのラップタイムを。
6.7-11.3-12.0(3角)-12.9(4角)-12.1-12.6(1角)-13.2(2角)-11.4-12.6(3角)-13.0(4角)-12.9。
2100m戦でラップタイムが落ちやすい2角での13.2のラップがやはりこの馬の特徴が出たラップだったのではないでしょうか。
意図的にペースを落とすか落とさないかではなく、川崎コーナーの出口4角と2角ではコーナーの形状からどうしても時計がかかるのですが、スマートファルコンの特徴、速いラップを刻む走りで小回りもうまいので2角でもそこまでスピードが落ちないのはすばらしいと思いました。
中央の競馬場ではなく、地方の小回りの競馬場で成長してきたスマートファルコンならではの特徴だと思います。
★★★スマートファルコン高速ラップコーナー★★★
ラップの話をしたので、ついでということでいきなりですがスマートファルコンの高速ラップについて少し。
あまりの速いラップにどの馬も追走するのが精一杯なペースがどのくらいなのかをつかもう!というコーナーです。
まず参考としてミラクルレジェンドが2011JBCレディスクラシックで出した大井1800mのコースレコード1:49.6上がり35.9ですが、その日のJBCクラシックのスマートファルコンの1800m通過タイムは1:49.0とコースレコードよりも速いです。
同じ日にJBCスプリントでスーニが出した1200mのコースレコード1:10.1上がり35.5ですが、この日のスマートファルコンの1200m通過タイムは1:12.7です(さすがにこっちは厳しいか・・笑)。
下の表はスマートファルコンの近4走の大井2000m(全て良馬場)タイムと1800m通過タイムと上がりです。
スマートファルコン大井2000mタイムと1800m通過タイム
開催日 | レース名 | タイム | 1800m通過タイム | 上がり |
10/12/29 | 東京大賞典 | 2:00.4 | 1:47.3 | 37.3 |
11/6/29 | 帝王賞 | 2:01.1 | 1:49.0 | 36.0 |
11/11/3 | JBCクラシック | 2:02.1 | 1:49.0 | 37.3 |
11/12/29 | 東京大賞典 | 2:01.8 | 1:48.6 | 38.2 |
というようにすべてが大井1800mのレコードよりも速いです。
牡馬参戦の1800m交流重賞があまりないので、こういうことが起きるのですが、1800m通過タイムから見えるスマートファルコンの高速ラップの参考にでもなればと思います。
★★おしまい★★
そしてやはり少し気になるのが、武豊騎手も言っていた自分から行かなくなってるところ。
年齢的な部分もあるので、そのへんは気をつけてチェックしていきたいと思いました。
誰もが気になるこの馬に勝てる馬はいるのかというところですが。
落鉄や何かアクシデントがない限り、地方競馬場ではかなりむずかしいように思います。
個人的にはこの馬に勝つにはこの馬より前で逃げるレースが理想だと思っています。
枠は当然この馬より内、そして枠の差をどうしても利用したいのでスタートからコーナーまで300m以上あるとなかなか厳しそうなので2000m以上だと南関でいうとやはりベストは浦和でしょうか。
これもあくまで個人的にですが、この馬からハナを奪えるスタートとスピードのある馬はフリオーソかエスポワールシチーだとは思っています。
この2頭にトランセンド、ワンダーアキュートあたりが加われば大井2000mでも勝算は見えてくるのではないでしょうか。
今までのように一対一の構図ではなく有力馬が複数出走しないとやはり厳しいと思います。
ちょっと話はそれましたが、川崎記念を勝っていよいよ出てきたドバイの話。
日本からの予備登録馬もたくさんいて芝馬も参戦となればレーティング的にはきびしいですが、是非選出されてほしいですね。
ちなみにスマートファルコンは2010年に続いて、2011年NARグランプリダートグレード競走特別賞にも選ばれました。
これだけの実力がありながら中央所属で地方のダートグレードレースを勝ち続けてきたので、JRA、NARどちらの評価も受けれないこの馬を評価できる唯一の賞ではないでしょうか。
2着のランフォルセは、1枠1番の絶好枠、スタート失敗も1周目3角までに逃げる馬の後ろの絶好の位置取りにおっつけていった横山騎手の判断はお見事でした。
ペースが速くなった向正面でも徐々におっつけて、内ラチを無駄なく周っての最後の追い出しとすばらしかったです。
それゆえにやはりスタートでの立ち遅れが痛かった感じでしょうか。
前走マイルチャンピオンシップ南部杯は距離が少したりなかったのもあるので、距離が伸びるとやはりいいですね。
放牧明けからなんとか間に合ったという中でのパフォーマンスでしたがとてもよかったと思います。
個人的にこの馬の地方ダートグレード参戦は待ち望んでいたので、今後も注目したいと思います。
フリオーソは屈腱炎で8ヶ月半の休み明け。
かなりの好スタートもそれ以上のスタートにやられての番手の競馬。
スタンド前は無駄に動かず向正面でおっつけていくもその差は縮まらず、4角から直線ではさすがに失速し、最後はなんとかふんばっての3着。
脚元が不安の中とはいえ、1月7日に528キロあった馬体も508キロまでしぼってきたあたりはさすが川島厩舎です。
陣営も逃げれるなら逃げたかったみたいですが、あのスタートをやられたら番手に控えるしかありませんね。
スマートファルコンを外から追走、さらに休み明けの中ギリギリのところで勝ちを狙っていった戸崎騎手の騎乗はお見事だったと思います。
最後は普通の馬なら3着以下になるパターンですが、残すあたりはこの馬の地力の高さと戸崎騎手の人気馬に乗りなれた3着はなんとか確保の騎乗もすばらしかったです。
休み明けで厳しいレースでしたが、いい内容だったと思います。
ちなみにフリオーソは2007,2008,2010年に続いて、2011年もNARグランプリ年度代表馬にも選ばれました。
さらに今年創設のNARグランプリ4歳以上最優秀牡馬にも選ばれています。
今年からNARグランプリも牡馬牝馬で細かく分かれたので、受賞馬も増えて各陣営のモチベーションも上がると思うのでいい事だと思います。
馬券的にはスマートファルコン、フリオーソ、ランフォルセ軸の3連単でなんとか的中できました。
重賞的中は久しぶりな気がします。
圧倒的な人気のスマートファルコンが出るレースでは2着以下になったときのメリットを考えるとやはり2着以下馬券がどうしても増えてしまいます。
何があるかわからない競馬ですので、外れ馬券は無駄になった買い目ではないと思うので、今後も狙っていきたいとは思っています。
川崎競馬場に続いて浦和競馬場でも2月19日から日曜祝日限定ですが、JRAの馬券を購入できるようになるみたいです。
その名も『ウインズ浦和』。
JRAのPATで地方のダートグレード競走が買えるようになるみたいですが、荒尾競馬の廃止などもあり一刻も早い対策が必要な地方競馬の事情もあるので、早くJRAは導入してほしいところですね。