2012年6月13日(不良) 第48回 関東オークス(JpnU)
今日は川崎開催3日目。
メインレースは牝馬クラシック3冠目、2100m戦の第48回 関東オークス(JpnU)が行われました。
人気は中央で4戦2勝2着2回、横山典弘騎手のオールドパサデナ。
レースは岩田騎手エイシンキンチェムが好スタートも最内本橋騎手のリカチャンスがハナへ。
その後ろ内から戸崎騎手のシラヤマヒメ、張田騎手のコテキタイ。
その外からあがっていってウィリアムズ騎手のサトノジョリー、川田騎手のマシュマロ。
1周目スタンド前で逃げるリカチャンス、番手にサトノジョリー、内にエイシンキンチェム、4番手にシラヤマヒメ。
少し離れて内からコテキタイとマシュマロ。
さらに離れて内から今野騎手のアスカリーブルとオールドパサデナ。
2角でペースがおちるも縦に長い展開に。
向正面、前は早めにペースがあがりリカチャンスの外からサトノジョリー、シラヤマヒメが早めに仕掛け3角へ。
サトノジョリーが先頭にたち後ろをはなして直線へ。
その後ろシラヤマヒメの外からアスカリーブル。
最後は11/2馬身差差しきってアスカリーブルが見事1着!
2着にサトノジョリー。3着にシラヤマヒメ。
アスカリーブルは東京プリンセス賞に続いて関東オークス制覇で見事2冠達成です!
ためればしまい伸びるこの馬の特徴を十分に発揮した今野騎手のお見事な騎乗でした。
脚をためてこの馬の力を出し切るレースの指示をした川島師もお見事です。
初の川崎でしたが4枠4番ということでスタートである程度おしていった今野騎手は川崎2100mを熟知している完璧な騎乗だったと思います。
向正面に入りペースが上がった時もあせらずに4角からの一気に激しいアクションでの追い方もアスカリーブルにも伝わったと思います。
同厩エミーズパラダイスとともに今後注目の牝馬ですね。
サトノジョリーは注目のテン乗りで南関初騎乗クレイグ・ウィリアムズ騎手。
外枠から迷わず前を狙いにいってスタンド前では番手からの競馬。
シラヤマヒメの動きを見つつ3角先頭からの押し切りを狙うも最後は差されての2着。
初の川崎でしたが、ウィリアムズ騎手もその特徴を理解した積極的な騎乗でした。
個人的には番手シラヤマヒメとの位置関係からもすこし仕掛けが早かったかなぁと思います。
外枠からの多少強引な番手の位置取りと向正面でのペースアップから、川崎コーナーとシラヤマヒメを利用したぎりぎりの仕掛けだともっときわどい争いになっていた気もします。
ですが初の川崎、しかもトリッキーな2100m戦ということも考慮するといい騎乗だったと思います。
キレ味もあり距離が伸びても大丈夫、さらに競馬もわかっていそうな馬だけに今後も注目ですね。
シラヤマヒメは積極的な位置取りからスタンド前では4番手からの競馬。
外からサトノジョリーにくいついて2番手で直線にむくも最後は力差負けの3着。
前の2頭がやはり強かったですが、力は出し切ったと思います。
テン乗りでしたが川崎2100mで重要な1周目3角での積極的な位置取りの戸崎騎手はお見事でした。
向正面でのサトノジョリーとの位置関係など馬のテンションのもっていき方もよかったと思います。
馬券的にはアスカリーブル軸の3連複もシラヤマヒメを買えずに撃沈です・・。
戸崎騎手ということでチェックはしていましたが、他の馬に比べてキレ味で劣るのでさすがの戸崎騎手でもということで最後の最後にきってしまいました・・・。
改めて戸崎騎手のうまさを痛感しました。
コーナー6回の川崎2100m。
位置取りとともに外の馬に脚を使わせるのに重要な1周目3角。
今野騎手、戸崎騎手とやはりこのへんはうまいですね〜。
今年のJBCは川崎ということで、数少ない中央騎手の川崎での乗り方は引き続きチェックしていきたいと思います。
10日の東京8R、ゴール直前に内田博幸騎手のファイナルフォームが外側へ斜行し、松岡騎手のランパスインベガスの走行を妨害したとして小島茂之調教師がJRAに対して不服申立てを行いました。
JRAではたびたび起こる裁定問題。
★★★★★JRAによる裁定の概要★★★★★
申立人からは、ランパスインベガス号は2着が3着に着順が変わってしまうほど大きな被害を受けており、ファイナルフォーム号が決勝線手前で急に同馬の進路に入ってきたことは明らかに走行妨害であるとの主張があったが、(1)「加害・被害に直接の関係を有しない馬との着順の変更の可能性をもって被害の程度は判断されない。」(2)「被害馬ランパスインベガス号は決勝線に到達するまでの約2完歩の控えであり、その被害の大きさから競走能力の発揮に重大な影響があったとまでは認められない。」とされ、走行妨害の申立てを棄却した裁決は相当と認められた。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
JRAの裁定委員会の特徴として、加害馬の加害度合いよりも被害馬の被害後の競走能力への影響重視で決められているところから、同じ条件で走行妨害が起こった場合でも被害馬の被害後のアクションによって降着と降着なしの裁定が出る感じなので毎回問題になっているのだと思います。
さらに『加害馬の失格・降着』と『走行妨害または進路影響に対する騎手制裁』の二つは別々に判断され、その両方が同じ過失であっても被害馬の被害後の状況で決まるので、裁決にかなりの開きができやすくなってしまいます。
今回それがゴール前で起き、多数の目に着順に影響を与えるだけの走行妨害に見えた為物議をかもしている感じでしょうか。
参考までにJRAの走行妨害の判断ポイントは次のように記されています。
★★★★重要な判断ポイントについて★★★★
〈被害馬が重大な影響を受けたか否かは、以下の状況から総合的に判断します〉
被害を受ける直前の状況・・・被害馬の脚勢・進路の取り方
被害の状況・・・減速・躓き・バランスの崩れ・距離ロス・被害の継続時間等
被害後の状況・・・被害からの立ち直りの状況
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
さらにやっかいなのは、ラチ沿いや馬群が密集した場合などでもその判断は大きく変わったり、複数の馬の動きが連動している競馬ですがあくまで加害馬と被害馬との関係で決まるので、結局全て裁決委員の判断で決まります。
内田博幸騎手には重大な過失(危険・悪質な騎乗・強引な進路の取り方など)に該当するために進路影響に対する騎手の制裁として騎乗停止2日になりました。
そもそもの失格・降着制度の主な目的がJRAとファン・関係者の間でまったく違うので、起きるべきして起きた問題な気がします。
0.1差やハナ差レベルで着順を競う競馬において、着順重視のファンや関係者、売上げ重視のJRAとの温度差がこの問題の根本にあると思うので、国際セリ名簿基準委員会のパートI国としての走行妨害としてどういった決着になるのか大変注目したい問題です。
走行妨害などについて細かいことはJRAのHPで確認できるので興味ある方はチェックしてみるといいと思います。
↓
走行妨害および制裁について
いろいろ意見はあると思いますが、個人的には被害を受けた側の危険回避能力に全てを委ねた現在の判断は他のスポーツとくらべても異質だと思います。